フィリピン英会話ネット
2009年07月10日

パロキャ・ニ・エドガー(Parokya ni Edgar)

多数のバンドが出演する野外コンサートでのこと。興奮が高まるにつれ、集まった聴衆の一部が、激しく身体をぶつけ合って暴れるモッシュを始めた。モッシュはエスカレートし、そのうち本当の乱闘に発展してしまった。演奏をやめ、主催者がマイクで静まるように呼びかけても収まりがつかない。その時、おもむろにステージの上に立ち、静かに右手を上げ、黙ってピースサインを示した男がいた。すると、乱闘していたグループは喧嘩を止め、それまでの騒ぎが嘘のように、会場が静まり返ったのだ。

chito miranda.jpg
Chito Miranda of Parokya ni Edgar

この男こそ、Parokya ni Edgarのボーカル、チト・ミランダ(Chito Miranda)だった。

Parokya ni Edgarは90年代初頭のE-headsYano(ヤノ)、Rivermaya(リバマヤ)の3大人気バンドがつくりあげた新しいバンド文化の潮流に乗る形で96年に登場した。リードボーカルのアルフォンソ・“チト”・ミランダ(Alfonso “Chito” Miranda, Jr.)、ベースのブハウィ・“ブウィ”・メネセス(Buhawi “Buwi” Meneses )、リードギターのダリウス・ジェラルド・“ダリウケン”・セマニャ(Darius Gerard “Dariuken” Semaña)、 ギターのガブリエル・イグナチウス・“ガブ”・チーキー(Gabrielle Ignatius “Gab” Chee-Kee )、ドラムのフェルディナンド・“ディンディン”・モレノ(Ferdinand “Din Din” Moreno)、そしてバックアップボーカルを担当するフランシス・ビンセント・“ビンチ”・モンタナー(Francis Vincent “Vinci” Montaner) の6人で構成されたバンドである。Parokya ni Edgarはもともとアテネオ高校の同級生達で結成したバンドだが、当時のバンド文化のメッカ、Club Dreddでの演奏が注目され、プロデビューした。当初は世界的に有名な曲の歌詞を面白おかしく変えて歌うコミックバンドとして受け入れられていた感がある。

Matira Matibay
Parokya ni Edgar: Best Album 「Matira Matibay」

Parokya ni Edgarがパロディとして発表したのは次の曲である。どれもロックファンなら知っているような曲だ。
Trip from "Creep" by Radiohead
Alimango from "Animal" by Pearl Jam
The Crush (Bakit Ang Pangit Pangit Mo?) from The Clash's song "Should I Stay or Should I Go"
Papa Cologne from Lança Perfume by Rita Lee"
Picha Pie from "I Will Survive" by Cake (Originally by Gloria Gaynor)
Chikinini from "Banal Na Aso, Santong Kabayo" by Yano
Nakaw ang Wallet Ko from "Knockin' on Heaven's Door" by Guns N' Roses (originally by Bob Dylan)
The Ordertaker from "Chop Suey!" and "Toxicity" by System of a Down
Macho from "Macho Man" by Village People
Nakaka-inis from "The Promise" by When in Rome
Tange from "The Popeye Theme"
Name Fun from "The Name Game" by Shirley Ellis

Parokya ni Edgarのパロディのポリシーは徹底していて、99年にMTV Music Video Awardを受賞した自分たちの代表曲でもあるバラード”Harana”さえもパロディ化し、全く下品な曲にしてしまうほどである。

parokya live.jpg
Parokya ni Edgar at Live Concert

しかし、Parokya ni Edgarの凄さはパロディだけではない。もちろん、オリジナル曲の方が多いわけだし、発表する曲はそのどれもが絶大の人気を得ている。また、このバンド、当時活躍した他のバンドのほとんどはすでに解散してしまったか、メインボーカルが変わってしまう中、デビュー以来13年間、一度のメンバーチェンジもなく続いている。その間、ほぼ毎年オリジナルアルバムを発表し続け、人気に衰えが見られない。盛衰の激しいフィリピンバンドの中で、Parokya ni Edgarは最も長寿なバンドと言えるだろう。

普段は飄々としていて、コメディアンとしての資質も十分なチト・ミランダだが、ピースサインひとつで乱闘騒ぎを収めてしまうことで示された、そのカリスマ性は本物だ。

Parokya ni Edgar初期の代表曲 "Buloy"
posted by philculture at 07:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽・バンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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